「そうなの?修の睡眠障害が改善されたの?」藤原おばあさんは喜んで尋ねた。顔のしわも少し減ったように見えた。
「彼の顔色を見てごらんなさい。良くなっているでしょう?それに、胃の調子もほぼ良くなりました。これはすべて時枝秋のおかげです」藤原千華は時枝秋を惜しみなく褒め称えた。
傍らで見ていた秦野伸年は驚き、端正な顔に疑問を浮かべた。いつの間に自分の妻が時枝秋の熱狂的な信者になったのだろうか?
藤原おばあさんは孫の方を見やり、彼の輝くような表情と健康的な顔色を確認すると、時枝秋を見る目がさらに満足げになった。
彼女は自分の年齢も高くなり、もう何も気にしないが、藤原千華と藤原修は彼女の命そのものだった。
二人が元気でいてくれれば、それ以上何も望むことはなかった。
食事の時。
藤原おばあさんは執事に指示し、辛くない、消化の良い料理を全て藤原修の前に置かせた。
これは彼の胃のことを考えてのことだった。
以前、胃の調子が最も悪かった時は、何日も続けて何も食べられないことがあった。
藤原千華は今は状態が良くなったと言っているが、藤原おばあさんが油断できるわけがなかった。
かつて藤原修が胃痛で血を吐くほどだった状況を、彼女は見ていたのだから。
料理が運ばれ、藤原修は箸を取り、様々な料理を少しずつ取った。冷たいもの、熱いもの、辛いもの、硬いものなど、ほぼ全てを少しずつ食べた。
藤原おばあさんはひやひやしながら、食べるのを止めさせたい気持ちと、自分が厳しすぎるのではないかという思いの間で揺れていた。
食事の後、藤原おばあさんは何度も藤原修の様子を観察し、彼が普段通りで何の異常もないのを見て、ようやく藤原千華の言葉を信じることができた。
藤原おばあさんの表情が明るくなり、続いて尾張お爺さんと尾張靖浩たちの様子を尋ねた。
しばらく座っていると、彼女も少し疲れてきたようで、時枝秋は気を利かせて立ち上がり、「おばあさま、私にはまだ少し用事がありますので、先にお休みください」と言った。
「ええ、また来てね」藤原おばあさんは立ち上がったが、めまいを感じた。
数人が気を失いそうになった藤原おばあさんを支えた。「おばあさま!」
「おばあさま、どうされましたか?」藤原千華は心配そうに尋ねた。「執事、早く医者を呼んでください」