季山監督の安全と比べれば、時枝秋に少し注目を浴びることは、まだ許容範囲内だった。
結局、異国の地にいるのだから、少しの匂いだけで警察に通報するのは、大げさすぎるかもしれない。
季山監督が承諾したのを見て、みんなも喜んでいた。
ただ、時枝秋のことを考えると、あまり嬉しくなれなかった。
「木村と呼んでください。」木村裕貴は季山勝洋の前では、その経歴は小学生のようなものだった。
季山勝洋は一行を率いて別荘に向かった。
入り口には誰もいなかった。庭に入ると、みんなはこの広大な庭を見て、これだけの人数が一晩休むには、確かに問題ないと思った。
裏庭には二人の女中だけが花に水をやっていた。中年の女性で、ポーランド人だった。彼らを見ても特に好奇心を示さず、静かに自分の仕事を続けていた。