第420章 避けて!

しかも皆知っているように、この鎧は二十数斤もの重さがあり、普通の人が着ると、このように大股で歩くどころか、動くことさえ困難だ。

しかし目の前の時枝秋は、少しの不快感も見せず、軽やかに歩いてきて、完全に慣れているようだった。

スタッフが彼女の衣装を整えながら、こっそりとその服を触ってみた。うん、確かに撮影チームのものと同じで、非常に重厚だ。

「始めましょう」田中監督はメガホンを取り上げた。「各ユニット準備して」

先ほどの馬が引かれてきた。

馬術師とスタッフが前に出て時枝秋を支えようとした。

彼女は手を振って、皆の手助けを断った。

藤原修の視線は彼女に注がれていた。彼は当然、彼の女の子がどんなことでもできると信じていた。しかも上手にやれると。

しかし心配の気持ちは依然として拭えなかった。