第431章 漢方医学は有っても無くても良い

中医学の専門分野に関わるため、張本豊年と大野平もこの四つの治療計画を受け取った。

「高木孝明たちのはまあまあだな。一つの症例ではウイルス抑制の方法で症状を軽減し、その後は療養を主体とし、他の二つは総合的な評価を経て、顔面神経切断手術を選択している」と張本豊年は評価した。「重度の顔面神経麻痺には、これ以上の良い方法はないだろう」

大野平は言った。「しかし、顔面神経切断手術をいったん行うと、人は細かな表情をほとんど作れなくなる」

「それでも影響はないだろう。治療が第一だ、違うか?」張本豊年は言いながら、陸田景久が提出した計画を開いた。「まだ薬物療法を続けるのか?この程度の病状では、率直に言って、やはり現代の高度な技術に頼るべきだ」

大野平は反論しなかった。確かに、漢方医学は慢性疾患の治療において顕著な効果があるが、このような疾患を治療する際には、彼自身も否定できないことだが、現代技術の方がより効果的だった。

そのためか、徐々に皆は漢方医学は必要ないと思うようになり、どうでもよいと感じるようになっていた。

ちょうど彼が先ほどある有名な質問サイトで見た質問のように:「もし漢方医学が消えたら、世界はどうなるだろうか?」

高評価の回答の多くは:「何の影響もない」というものだった。

これが漢方医学の人々の心の中での地位を物語っている。

漢方医学が存在しても、影響はない。

存在しなくても、影響はない。

このような有っても無くてもよいという状態こそが、最も恐ろしいことだ。

他の二人の患者が手術治療を選んだことを知り、こちらの少女の母親はさらに焦りを感じていた。

時枝秋が入室したとき、彼女が急いで何かを話しているのを見た。少女は頭を振り続け、母親は怒って顔を背け、涙を拭っていた。

少女も涙を流していた。

しかし顔面神経麻痺のため、涙が乱れ飛び、見るからに惨めで滑稽で、生きる尊厳が全くなかった。

時枝秋は彼女の状態を確認し、記録をとった。

少女は時枝秋が来るたびに気分が良くなり、時枝秋に笑顔を見せようと努力するが、失敗していた。

時枝秋は彼女の頬を軽くたたき、「諦めないで、まだチャンスはあるわ」と言った。

時枝秋は陸田景久のもとに戻り、彼に小瓶を渡した。「陸田先輩、これは前回あなたが追加した薬物から抽出した精油です」