第511章 アレルギーで顔が台無し

「大丈夫よ、ちょっと何かが付いただけ」

「何かが付いただけには見えないわね...鏡を見てみたら?」

張本蓮は大集合写真の機会を逃したくなかったが、顔のかゆみは我慢できる範囲を超えていた。

彼女は急いで外に出て、スマホのフロントカメラを開いた。見た瞬間、気絶しそうになった。

彼女の顔には大きな赤い発疹ができており、気づかないうちに掻いて赤く腫れ上がっていた。

手で触れると、赤い発疹がさらに広がったように見えた。

顔はアーティストの命だ。

張本蓮は集合写真のことも忘れ、すぐにマネージャーを見つけて病院へ急いだ。

彼女は必死に隠そうとしたが、記者たちは彼女の顔の赤い発疹と腫れを撮影していた。

張本蓮が病院に行ったと聞いたパパラッチも急いで後を追い、盗撮した。

時枝秋はこの出来事をあまり気にせず、ポーズを取って大集合写真に参加した。

突然、彼女は小林凌の見慣れた姿がこちらに向かって歩いてくるのを見た。

時枝秋は彼に会うことを恐れてはいなかったが、小林凌という人物は、この世で厚顔無恥を徹底しているようで、世間の評判など全く気にせず、以前にも時枝秋との「偶然の出会い」を何度も演出していた。

こういう状況では、パパラッチや記者たちはいつも適当なことを書き立て、最終的に世論から軽蔑されるのは女性の方になりやすい。

今のように、小林凌はすでに人気が落ちているのに、彼のファンは数年前の彼の実績を持ち出して、彼がまだトップスターであるかのように見せようとしている。

時枝秋が避けようとしたとき、染宮静里奈が笑いながら言った。「時枝さん、一緒に写真を撮りましょう」

記者たちも同調して、時枝秋に残るよう促した。

ほんの一瞬のうちに、小林凌はすでに染宮静里奈の側に来て、彼女の指を握った。

時枝秋:「?」

「小林さん、あなたと静里奈さんが公式に交際を発表したことで、多くのファンの注目を集めています。恋愛の詳細や感想を教えていただけますか?」

「静里奈さん、お二人はどちらが先に好きになったのですか?教えていただけますか?」

時枝秋はようやく染宮静里奈が自分を先に帰らせたくなかった理由を理解した。

この二人の交際は今まさに公式発表されたばかりだが、話題性が足りないと恐れて、また自分を踏み台にしようとしているのだ。