第26章:リスク

「青木岑、もう言わなくていい。決まったことだから、そのまま従ってくれればいい。病院からの任務だと思って。手術が終わって、上層部の回復が順調なら、この手術に関わった全員に報奨と表彰を出すつもりだ」

しかし、青木岑は首を振り、立ち上がって言った。「院長、表彰も報奨も要りません。ただ、私にはこの任務は荷が重すぎます。申し訳ありませんが、お断りします」

「君は本当に頑固だね」院長は諦めたような口調で言った。

「院長、私は現実的に考えているんです。この手術はとても重要です。出産の介助なら私でもお手伝いできるかもしれませんが、脳外科の手術となると、私では邪魔になるだけです。他の人を探してください」

言い終わると、青木岑は立ち上がって部屋を出ようとした。この厄介な仕事は引き受けたくなかった。