「西尾社長……会議はこのまま続けますか?」副社長は恐る恐る尋ねた。
西尾聡雄は何も言わず、机の上の携帯を手に取って立ち去った……
永田秘書は上層部の人々に小さく手を振り、解散の合図を送った。
BOSSの機嫌が悪いのに、会議なんてできるわけがない。
西尾聡雄はオフィスに戻ると、上着を脱いでソファに投げ捨てた。
永田秘書は怖くて声も出せず、オフィス内の空気は一気に緊張感に包まれた。
「グループ傘下の会社で大成製鋼と取引のある会社は全て取引を中止するように伝えろ。そして、我々の取引先にも警告を出せ。大成製鋼と取引のある会社とは、我々GKは永久に取引しない」
「西尾社長、大成製鋼で間違いありませんね?確認させていただきます」
永田は秘書として長年勤めてきたが、社長がこれほど厳しい制裁令を出すのは初めてで、おろそかにはできなかった。