第38章:保釈

佐藤然が青木岑を認識できたのは、一つには親友の西尾聡雄が最も愛していた女だったからであり、もう一つには青木岑が年月を経ても容姿があまり変わらず、ただ高校時代の初々しさが抜けただけだったからだ。

七年前、西尾聡雄と青木岑が付き合っていた頃、時々みんなで食事をしていたことを覚えている。

その頃、佐藤然にもクラスの花形の彼女がいて、西尾聡雄が青木岑を連れてきて、四人でよく洋食を食べに行っていた。

今思えば、まるでずっと昔のことのようだ……

佐藤然は酔っ払いの携帯を開くと、案の定、連絡先に「岑」という名前を見つけた。

佐藤然は、それが間違いなく青木岑だと推測した。さらに、青木岑の写真を待ち受けにしているということは、この男が青木岑と深い関係にあることの証だった。

そう考えると、佐藤然は突然ある考えが浮かんできた……