第87章:派手

「そんな人と親友になんかなれるわけないでしょう。そんなの考えただけでも憂鬱になるわ」熊谷玲子は軽蔑した口調で答えた。

葬列は壮大で、北山霊園の墓地まで続いていた。老婦人は山頂の最高の場所に埋葬された。

この区画の墓地は一平方メートルあたり五十万円もするという、驚くべき高額だった。

青木家はここに四万円余りの土地を一度に購入し、青木家専用の墓地を造り上げた。

青木岑は眼鏡をかけたまま端に立ち、一言も発しなかった……

そのとき、青木隼人が突然近づいてきて、彼女の前で立ち止まり言った。「何を見てるんだ?羨ましいのか?これは父が買った墓地で、我々青木家専用のものだ。でもお前みたいな私生児には、ここに埋葬される資格なんてない。余計な期待は持つなよ」

青木岑は青木隼人を一瞥もせずに答えた。「そんないい場所は、あなたたちに住んでもらいましょう。私には手が出ません」

「当然だろう」青木隼人は得意げに言った。

「では、あなたが早く入れることを祈るべきでしょうか」青木岑は付け加えた。

「この女め、何を言って……」青木隼人は怒って手を上げかけた。

すると青木岑は静かに注意した。「青木次男坊、冷静になって。メディアが全部見てますよ。視聴率稼ぎのネタを探してるんです。もし見出しを飾りたいなら、どうぞ叩いてください。私は協力しますから」

「覚えておけよ……」青木岑の言葉を聞いて、青木隼人はすぐに手を下ろし、左右を見回した。幸いメディアには撮られていなかった。最後に不満げに一言吐き捨てて、その場を去った。

青木隼人は青木婉子と同様、甘やかされて育ち、傲慢になっていた。彼らは二房の人間だった。

青木隼人は今や血気盛んで、青木重徳との権力争いも徐々に激化し、父の寵愛と母の助けを頼みにしていた。

彼は青木家の未来の当主としての風格を増していった……

しかし青木岑は考えていた。こんな頭の悪い奴なら、青木重徳が倒すのは一瞬の事だろう。

まだ手を出していないのは、彼の背後にいる女優の母親が厄介だからだ。

しかし彼女は青木家の権力争いには全く興味がなかった……

誰が勝とうと負けようと、彼女には関係なかった……

葬儀が終わると、すべての車列が次々と青木家に戻っていった。青木源人は五つ星ホテルで六十卓の宴席を用意し、弔問に来た人々をもてなすという。