第92章:祝福

「どういう反応なの?まさかあなたたち二人まだ……そういうことしてないの?」熊谷玲子は驚きの表情を浮かべた。

「もちろんよ、私たち別々の部屋で寝てるわ」

「嘘でしょ?別々の部屋?結婚届出した意味なくない?」熊谷玲子は軽蔑したような顔をした。

「結婚届を出したからって、必ずしも一緒に寝なきゃいけないわけじゃないでしょう。それに知ってるでしょう、私が彼と結婚したのは幸治の手術のためだったの」

「でもあなたたちは夫婦になったのよ、これは事実でしょう?」

青木岑は黙って、物憂げな表情を浮かべた……

彼女も事態がこんな風になるとは思っていなかった。これからどうやって西尾聡雄と付き合っていけばいいのか分からなくなってしまった。

「もういいわ、そんな憂鬱な話は。私の新しい彼氏、どう?」熊谷玲子はスマホを開いて、男性との親密な写真を青木岑に見せた。