西尾聡雄は口角を少し上げ、ゆっくりと答えた。「ええ、確かに服を着ないで顔だけ隠す美女は見たことがないね」
「ちょっと...」青木岑は図星を突かれ、恥ずかしさのあまり地面に穴があれば入りたい気分だった。
「もうこれ以上続けるなら、私、車から降りるわ」青木岑は車のドアを開けようとした。
しかし西尾聡雄に腕を掴まれ、「もう冗談はやめよう」と言われた。
温かい手のひらが服越しに熱を伝え、青木岑は心臓の鼓動が少し速くなるのを感じた。
その後、西尾聡雄は手を離し、真剣に運転に集中した。二人は道中、黙ったままだった。
30分後
車は中央中学校の裏手にある飲食店街に停まった...
青木岑は自分の母校を見つめ、多くの思い出が蘇ってきた。
「ここは立ち退きになるって聞いたわ」
「そう?いつ頃?」西尾聡雄は無関心そうに尋ねた。