第105章:温もり

「うん、悪くないわ」西尾聡雄は頷いた。

「それは良かった。もっと食べて」青木岑はほっとして、微笑んだ。

その後、二人は向かい合って朝食を食べた。西尾聡雄は黙ったまま、時々顔を上げて青木岑を見つめていた。

青木岑は食欲旺盛に食べ始めた。長い間洋食の朝食を食べていたので、久しぶりに自分で作った和食は本当に美味しかった。

彼女にどれほど怒りを感じていても、彼女がこうして静かに自分の隣に座っているのを見ると。

西尾聡雄はこれら全てが天からの恩寵だと感じた……

七年前から今日のことを期待していた。

今や全てが実現し、彼は喜ばしく思うべきだった……

「弟の具合はどう?退院したって聞いたけど」西尾聡雄は突然尋ねた。

「うん、とても良くなってるわ。しばらく家で休ませることにしたの。学校もそろそろ授業も終わるし」