青木岑はゆっくりと長方形の箱を開けると、中には真新しいローズゴールドの6Sが収まっていた。
これが携帯電話だったのか……
青木岑は自分の使い古した4Sを見つめた。それは弟の幸治のお下がりだった。
彼女は当時幸治に5を買ってあげたので、幸治はこの黒い4Sを青木岑にくれたのだ。
青木岑はとても使いやすかったので、ずっと使い続けていた。
思いがけず、これらすべてを西尾聡雄は見ていて、新しい携帯をくれたのだ。
このまま受け取るのは気が引けたが、断るのもかえって気取っているように見えそうだった。
結局、毎月100万円の給料も受け取っているのだから、数千円の携帯くらい大したことないだろう?
そう考えて、青木岑は携帯を部屋に持ち帰り、手作業でSIMカードを切った。
新しい携帯に入れ替えて……
その後、画質をテストするために、ベッドに座って自撮りをしてみた。