第118章:プレゼント

青木岑はゆっくりと長方形の箱を開けると、中には真新しいローズゴールドの6Sが収まっていた。

これが携帯電話だったのか……

青木岑は自分の使い古した4Sを見つめた。それは弟の幸治のお下がりだった。

彼女は当時幸治に5を買ってあげたので、幸治はこの黒い4Sを青木岑にくれたのだ。

青木岑はとても使いやすかったので、ずっと使い続けていた。

思いがけず、これらすべてを西尾聡雄は見ていて、新しい携帯をくれたのだ。

このまま受け取るのは気が引けたが、断るのもかえって気取っているように見えそうだった。

結局、毎月100万円の給料も受け取っているのだから、数千円の携帯くらい大したことないだろう?

そう考えて、青木岑は携帯を部屋に持ち帰り、手作業でSIMカードを切った。

新しい携帯に入れ替えて……

その後、画質をテストするために、ベッドに座って自撮りをしてみた。

彼女は、この携帯のiCloudが西尾聡雄と共有されていることを知らなかった。

つまり、彼女の携帯の中の写真は全て、西尾聡雄の携帯に自動的に表示されるということだ。

そのため、隣の西尾さんは、部屋着姿でピースサインをしている青木岑のおバカな姿を見て。

口角を上げて、笑った……

青木岑がその後WeChatにログインすると、誰かから友達追加のメッセージが来ていた。

開いてみると、西尾聡雄からだった。

彼女は承認をタップして、追加した。

最初の言葉は「私のWeChatアカウントをどうやって知ったの?」だった。

すると、西尾聡雄は即座に「付近の人を検索したんだ」と返信してきた。

あっ、青木岑はすぐにその機能を見つけて無効にした。彼女は実は付近の人や shake it の機能が嫌いだった。

安全でないと感じ、見知らぬ人を追加したくなかったからだ。

でも西尾聡雄が追加したのだから仕方ない、結局同じ屋根の下で暮らしているのだから。

そのとき、また新しいメッセージが届いた……

西尾聡雄から8888円の送金が来た。

青木岑は受け取りをタップし、「ありがとうございます」と返信した。

西尾聡雄からはそれ以上の反応はなかった……

翌朝

朝食時、青木岑は西尾聡雄を見て言った。「今週から夜勤なので、夜は帰ってこないです」

「なぜ夜勤なんだ?」西尾聡雄は眉をひそめ、明らかに不機嫌そうだった。