第124章:わがまま

「いる?」

「うん」西尾聡雄からの返信は即座だった。

「聞いたんだけど...あなたの会社、この一週間ずっと夜勤なんだって?」

「そう」

「どうして?」

「夜勤がいいからさ」西尾聡雄の答えは完全に我儘だった。

なんてひどい答えだろう、青木岑は思った。GK社が突然夜勤になったのは、絶対に自分と関係があるはずだ。

自意識過剰というわけではない。だって、自分が夜勤だからGKが一斉に夜勤になるなんて、そんな偶然があるはずがない。

「私、明朝8時に勤務終わるよ」

「なんだ、僕も明朝8時に終わるよ」西尾聡雄が返信した。

青木岑は呆れて笑うしかなかった...

偶然なんかじゃない、明らかに彼女の勤務時間に合わせているじゃないか。

「明朝勤務が終わったら家に帰るでしょ?」

「うん」

「じゃあ、話し合いましょう。話したいことがあるの」