「何よ?」
「聞いてみたいだけ。叶えられるかもしれないから」
「あなた、ランプの精にでもなったつもり?願い事を叶えてくれるって」
「俺様の力を甘く見るなよ。この桑原の名を持つ者だぞ」桑原勝は傲慢に言った。
これは決して嘘ではない。この姓一つで、C市では横暴に振る舞えるのだから。
「嘘つかないと死んじゃうの?」
「お前は初めて俺が嘘つきだと言った奴だな。さあ、俺様に願い事を言ってみろ」
「私の写真を千円札に印刷できる?」
桑原勝:……
「皇居の写真を私と千円札との2ショットに変えられる?」
桑原勝:……
「オバに八重歯の笑顔を見せてもらえる?」
桑原勝:……
「この三つとも叶えられないじゃない。何を偉そうにしてるの。坊や、これからは大口叩く前に自分の器を知りなさいよ」青木岑は桑原勝の肩を叩いて、病室を出て行った。