第252章:ランプの精

「何よ?」

「聞いてみたいだけ。叶えられるかもしれないから」

「あなた、ランプの精にでもなったつもり?願い事を叶えてくれるって」

「俺様の力を甘く見るなよ。この桑原の名を持つ者だぞ」桑原勝は傲慢に言った。

これは決して嘘ではない。この姓一つで、C市では横暴に振る舞えるのだから。

「嘘つかないと死んじゃうの?」

「お前は初めて俺が嘘つきだと言った奴だな。さあ、俺様に願い事を言ってみろ」

「私の写真を千円札に印刷できる?」

桑原勝:……

「皇居の写真を私と千円札との2ショットに変えられる?」

桑原勝:……

「オバに八重歯の笑顔を見せてもらえる?」

桑原勝:……

「この三つとも叶えられないじゃない。何を偉そうにしてるの。坊や、これからは大口叩く前に自分の器を知りなさいよ」青木岑は桑原勝の肩を叩いて、病室を出て行った。