第290章:そんなに怖いの、お母さん知ってる?(7)

「そんな風に飲ませてくれたら、私、嬉しいわ」電話を切った後、青木岑は真剣な眼差しで西尾聡雄を見つめて言った。

途端に、西尾聡雄の頬が真っ赤に染まった……

「ここは会社だよ。それはまずいんじゃない?」

「ここは俺の会社だし、お前は俺の妻だ。何がまずいんだ?」西尾聡雄は反問した。

青木岑は再び言葉を失った……

しょうがない、西尾様の前では、いつも簡単に負けてしまうのだ。

午後のお茶の時間は、二人でイチャイチャしながら過ごした。

青木岑の唇は、キスで少し腫れていた。ようやく西尾聡雄は彼女を解放した。

オフィスを出る時、青木岑は頭を下げて急いで歩いた。誰かに気付かれないように。

しかし、エレベーターホールで思いがけず人と出くわしてしまった……

「申し訳ありません」青木岑はすぐに謝った。