「そんな風に飲ませてくれたら、私、嬉しいわ」電話を切った後、青木岑は真剣な眼差しで西尾聡雄を見つめて言った。
途端に、西尾聡雄の頬が真っ赤に染まった……
「ここは会社だよ。それはまずいんじゃない?」
「ここは俺の会社だし、お前は俺の妻だ。何がまずいんだ?」西尾聡雄は反問した。
青木岑は再び言葉を失った……
しょうがない、西尾様の前では、いつも簡単に負けてしまうのだ。
午後のお茶の時間は、二人でイチャイチャしながら過ごした。
青木岑の唇は、キスで少し腫れていた。ようやく西尾聡雄は彼女を解放した。
オフィスを出る時、青木岑は頭を下げて急いで歩いた。誰かに気付かれないように。
しかし、エレベーターホールで思いがけず人と出くわしてしまった……
「申し訳ありません」青木岑はすぐに謝った。