第323章:彼女の旦那様はBOSS(5)

桑原勝は一言も発さず、顔を曇らせたまま外へ歩き出した……

関口遥と矢野川たちも、おろそかにはできず、後を追った。

「寝に帰るから、ついて来なくていい」

この一言を言い残すと、桑原勝は黒のランボーに乗り込み、走り去った。

残された関口遥と矢野川の二人は首を傾げた……

「岩本奈義が去ったから、寝床相手がいなくなったのかな?」関口遥は推測した。

「違うよ、岩本奈義は彼が無理やり送り出したんだぞ。あの子が行きたくなかったの見なかったのか?行く時は目が赤くなって、顔中に不満げな表情を浮かべていたじゃないか」

「じゃあ、どうしたんだろう?桑原様は最近禁欲でもしてるのか?僧侶にでもなるつもり?世の中に見切りをつけたのか?」

「違う、彼は変わり者に目をつけたんだ」関口遥は笑った。