「はい、青木社長、事態はこのような状況です」
「よかった。うちの岑が無事でよかったな。そうでなければ、長田輝明は今頃第一病院ではなく火葬場に行くことになっていただろう」
「青木さんの件については、しっかりと見張りをつけますので、もう二度とこのような失態は起こしません。ご心配なく」
「よくやった。下がっていい」
部下を追い払った後、青木重徳は岑に電話をかけようとした。
しかし、突然入ってきた青木隼人に邪魔された……
「兄さん……?」
「何か用か?」青木重徳は振り返った。
「もうイギリスのプロジェクトの監督はしたくありません」青木隼人は青木重徳が好きではなかったが、表面上は兄と呼ばざるを得なかった。
「なぜだ?うまくいっているじゃないか。父上にもお前のことを褒めたところだぞ」