第317章:今度は大変なことになった(9)

「桑原勝が私に直接言ったんだ。これは確かな情報じゃないかな?」青木重徳は神秘的に微笑んだ。

これを聞いて、青木源人は完全に驚愕した。なぜなら、青木重徳が特に自分との会話で、決して嘘の情報を流すことはないと知っていたからだ。

もし桑原勝が本当に青木岑に気があるのなら……

「これが本当なら素晴らしいことだ。我が青木家の輝かしい未来は目前だな」青木源人は満足げに頷いた。

しかし神谷香織は注意を促した。「旦那様、早合点は禁物です。あの娘は既に私たちとの関係を断つと声明を出しましたから…おそらく私たちには何の得もないでしょう」

「関係を断つだなんて、所詮は青木家の血を引いているじゃないか。この話が本当だと確認できれば、私には桑原家に話を持ちかける手段がある。桑原家だって立派な嫁を迎えたいはずだ。青木岑に正当な身分を与えられるのは私だけなんだ」