「ああ、玲子が外で遊んでて、酔っ払ってるから、迎えに行ってくるわ」
「こんな遅くに、一人でクラブに迎えに行くなんて、安全だと思うの?」西尾聡雄の声は冷たかった。
いつもと違う態度……
青木岑は何か様子がおかしいと感じた。
「あ……大丈夫よ、私は酔ってないし、それに無事に帰ってきたでしょう?」青木岑は笑みを浮かべた。
西尾聡雄はそれ以上何も言わなかったが、表情は終始冷ややかだった……
「お腹すいてない?夜食作ろうか?」
「いらない、もう食べた」
「じゃあ、お風呂の準備をしようか?」青木岑は後ろめたそうに尋ねた。
「先に寝ていろ、仕事がある」そう言うと、西尾聡雄は階段を上がり、書斎に入った。
バタンという音と共に、書斎のドアが普段より強く閉められた。
青木岑は首を傾げた。「うちの西尾様、生理でも来たのかしら?今日はなんだか様子が変だわ」