第348章：無茶しなければ死なない（10）
「許可します。」
裁判官が頷いて同意すると、小田勝田は助手からUSBメモリを受け取った。
それを陪審団に渡すと、陪審員の担当者がパソコンに挿し、大画面に映し出した……
画面にはあの夜の恐ろしい一幕が再現された……
青木岑が長田輝明を人質に取り、割れたビール瓶を長田輝明の喉元にぴったりと押し当てていた。
「長田兄……」部下たちが気づいて、次々と青木岑に近づいてきた。
「近づくな、さもないと彼は死ぬぞ。」青木岑は手のビール瓶を強く押し付けた。
ガラスの鋭い破片が長田輝明の首の皮膚を突き破り、彼は痛みで再び悲鳴を上げた。
「ああ……痛い、お前ら近づくな、早く……早く下がれ。」
カチッ……
この短い場面だけを再生して、停止した……
小田勝田は咳払いをして言った。「あの夜、私の依頼人は誕生日で、多くの友人と飲んでいたのに、被告が来てから場が荒れ、言い争いになり、私の依頼人に暴力を振るい、彼女が持っていた凶器から分析すると、被告は私の依頼人を殺そうとしていたと見て間違いありません。私はこれを被告による殺人未遂と結論付けます。」