「着てみて。」青木岑は神秘的な様子で、それ以上は言わなかった。
西尾聡雄は仕方なく、それを手に取り、寝室に入って、ビジネスシャツを脱ぎ、青木岑が渡したものに着替えた。
西尾聡雄は着替える時、青木岑を避けることなく、堂々と全裸になった。
青木岑も恥ずかしがることなく、堂々と見つめていた。
そして密かに感心した。我が家の西尾様の体つきは本当に最高だわ。そんなに白くはなく、少し小麦色だけど、とても魅力的で、素晴らしい体型。男性はこうでなければね?
1分後、西尾聡雄は青木岑が渡した服を着て、青木岑に尋ねた。「これは何だ?」
「私のと同じよ、ペアルック。」自分の赤いTシャツを指さしながら、青木岑は言った。
西尾聡雄:……
「つまり、俺もこのミッキーの絵が付いたものを着て、人前に出なければならないのか?」
西尾聡雄は幼い頃からキャラクターものを着たことがなく、初めて着るのが、こんな目立つ色というのは、本当に慣れない。
「いいじゃない、何を怖がってるの?」
「あー、その…着なくてもいいか?」西尾聡雄は鼻先をすすり、少し押し殺した声で聞いた。
「いいわよ。でも夜はあなたの部屋に戻ってもらうわ。」
「わかった、着るよ。実際けっこう似合ってるし。」西尾聡雄は部屋から追い出されないように、仕方なくこの極めてカジュアルなTシャツを着ることにした。
「これいつ買ったの?」
「数日前よ。」
「どこで?」
「タオバオでネット購入したの……」
西尾聡雄:「……わかったよ、君の勝ちだ。」
こうして、青木岑の圧力の下、西尾聡雄はキャラクターのペアルックを着て、青木岑と一緒に外出した。
「車じゃないの?」
「ううん、今日はバスよ、へへ。」青木岑は機嫌が良さそうで、黒いキャラクターのバッグを背負い、西尾聡雄の手を引きながら笑っていた。
彼女の機嫌が良いのが分かったので、西尾聡雄もそれ以上水を差すことはしなかった……
二人は市内循環バスに乗り、30分ほどで東部郊外のある古い地区で降りた。
夜の7時、辺りは明るく照らされ、とても賑やかだった。
「どう?人が多いでしょ?」青木岑は誇らしげに尋ねた。
「夜市か?」