関口遥は最初、桑原勝が新しいものに興味を持っただけだと思っていた……
しかし、彼がこれほど真剣だとは思わなかった。長年の付き合いで、周りに多くの女がいたが、誰に対してもこれほど真剣になったことはなかった。
唯一の例外は、人妻だった。関口遥も頭を抱えていた……
「それはまずいんじゃないか?」関口遥は、これは価値観が歪んでいるのではないかと思った。
「何がまずいんだ?結婚したからって離婚できないわけじゃない。誰と誰がどうなるかなんて分からないだろう。芸能界を見てみろよ。あの大物俳優だって、奥さんと十数年結婚して、子供も十五歳になったのに、去年離婚して90年代生まれの若い嫁さんをもらったじゃないか。社会も時代も変わっていく。不可能だと思えたことも、次第に可能になっていく。桑原様、僕は支持しますよ。西尾聡雄なんて大したことない。気に入らないなら戦えばいい。ダメなら、俺たちが手伝う。GKなんて、どれだけ持ちこたえられるか見てみようじゃないか?」