第364章:彼女は既婚者だった(6)

桑原勝が話す前に、矢野川が先に口を挟んだ。「これが分からないのか?もう無理だな。明らかに...あの綿菓子は囮だよ。荒木社長が表に出して、攻撃を受けさせる囮で、そうすることで本当に守るべき人を守ろうとしているんだ。」

「えっと...急に格好良くなったじゃないですか、桑原様」関口遥が笑いながら言った。

「うちのプールから斎場に二体運ばれることになっても構わないのか?」桑原勝が冷たく脅した。

関口遥と矢野川は即座に口を閉ざした...

その夜、某高級バーにて

いつもと同じように、みんなが酒を飲んでいる中、綿菓子はピンクのミニドレスに赤い小さな帽子姿で入ってきた。

直接桑原勝の隣に座り、彼に酒を注ぎ、従順な様子を見せた。

桑原勝は無表情で、時々スマートフォンを弄るだけで、上の空だった。