桑原勝が話す前に、矢野川が先に口を挟んだ。「これが分からないのか?もう無理だな。明らかに...あの綿菓子は囮だよ。荒木社長が表に出して、攻撃を受けさせる囮で、そうすることで本当に守るべき人を守ろうとしているんだ。」
「えっと...急に格好良くなったじゃないですか、桑原様」関口遥が笑いながら言った。
「うちのプールから斎場に二体運ばれることになっても構わないのか?」桑原勝が冷たく脅した。
関口遥と矢野川は即座に口を閉ざした...
その夜、某高級バーにて
いつもと同じように、みんなが酒を飲んでいる中、綿菓子はピンクのミニドレスに赤い小さな帽子姿で入ってきた。
直接桑原勝の隣に座り、彼に酒を注ぎ、従順な様子を見せた。
桑原勝は無表情で、時々スマートフォンを弄るだけで、上の空だった。
「荒木社長...」
「何だ?」桑原勝は顔も上げずに言った。
「岩本姉が私に何か誤解があるようで、ずっと会社の他のタレントと組んで私を排除しているんです。とても辛いので、荒木社長に何とかしていただきたいのですが。」
「辛いなら辞めればいい。会社を去ればいい。そんなにメンタルが弱いなら、芸能人には向いていない。」
荒木社長は相変わらずまともに彼女を見ようともせず、青木岑の新浪ウェイボーを見ていた...
以前、新浪ウェイボーが流行っていた時期があり、青木岑もアカウントを作って遊んでいた。ただ、あまり頻繁には使っていなかった。
時々思い出したときに更新したり、何かをリポストしたりする程度だった。
名前もちょっと可愛らしく、マダガスカルのペンギンと名付けていた。
しかしそんな偽装をしていても、桑原勝は見つけ出した。彼の部下たちも遊んで給料をもらっているわけではないのだから。
WeChatで追加できないなら、ウェイボーでフォローすればいい。
それに桑原勝は新浪ウェイボーではスーパー大V(有名アカウント)で、フォロワー数は3000万以上いた。
しかもボットではなく、この数は多くの有名スターよりも多かった。
認証名は本名の桑原勝で、認証身分は、スターキングエンタテインメントCEO、桑原銀行取締役会メンバーとなっていた。