第403章：1度目の冷戦（3）

原幸治はゆっくりと頭を下げ、「西尾兄のお母さんが私たちの家に来て、母と何か話をして、それで母が興奮して言い争いになって、最後に西尾兄のお母さんが連れてきたボディーガードに押されて転んでしまったんです」と言った。

「何ですって？」青木岑はそれを聞いて眉をひそめ、心が徐々に冷めていった。

また西尾聡雄の母親か……

七年前もそうだったし、七年後の今もまた？本当に私たちの家をなめているのか？

「幸治、あなたは直接見たの？」青木岑は再度確認した。

「いいえ、私は家にいませんでした。吉田伯母が家にいて、彼女が話してくれたんです。それで吉田伯母が私に電話をくれて、私は学校から直接病院に来ました」

青木岑は黙り込んだ……表情は非常に悪かった。

「姉さん……？」

「ん？」

「私は……母さんはもう姉さんたちのことを知ってしまったから、そんなに興奮したんだと思います」

「ん」青木岑は必死に冷静さを保とうとした。

「それで……これからどうするつもりですか？」原幸治の声は小さく、姉に圧力をかけたくなかったが、自分も何をすべきか分からなかった。母にゆっくりと話そうと思っていたのに、もう隠せなくなってしまった。でも西尾聡雄の母親はどうやって知ったのだろう？なぜ突然家に来て問題を起こしたのだろう？

もしかして西尾聡雄が両親に打ち明けたのか？

そう考えると、また怒りが込み上げてきた……

「吉田伯母はどこ？」

「ああ、向こうで水を飲んでいます。すぐ戻ってくると思います」

原幸治が言い終わって一分も経たないうちに、吉田伯母が戻ってきた。花柄のシャツに黒いズボン、スニーカーを履いていた。

「吉田伯母」

「岑が来たのね」

「吉田伯母、一体何があったんですか？」青木岑は事の経緯を知りたくて尋ねた。

吉田伯母の目が落ち着かない様子で、話しづらそうだった……

「吉田伯母、見たことをそのまま話してください。隠さないでください。そうでないと私も気が気じゃありません。母の状態もまだ分からないし、とても心配です」

「岑や、……あなた、西尾家の息子とまた付き合っているの？」吉田伯母は意味深な口調で尋ねた。

青木岑は黙っていた……しかしそれは肯定の意味だった。