第402章:初めての冷戦(2)

青木岑は微笑んで、「そんな話は聞いたことがありませんね。それに...私が便宜を図るかどうかは私の判断です。青木基金の会長として、一銭一厘にも責任を持たなければなりません。こうしましょう。直接青木重徳さんに聞いてみてはどうですか?彼が同意すれば、私も異議はありません」

「これは...わざと私を困らせているんじゃないですか?私は青木重徳さんとは面識もないのに」前田一清は心の中で思った。青木重徳とはどんな人物か、義理の兄でさえ丁重に接する大物なのに、自分なんかが話せる相手ではない。

「そうであれば、前田部長は経理部を困らせないでください。この件はここまでにしましょう」そう言って、青木岑は立ち去った。

前田一清は机を強く叩いて罵った。「くそ女め、何様のつもりだ?青木家の私生児のくせに。本当に生意気な奴だ。後でどうやって懲らしめてやるか見てろ」