「間違いありません。B型です。他の血液型なら血液バンクにありますが、最近B型の輸血を必要とする患者さんが多くて、血液バンクが不足しているんです。」
青木岑は腕を引っ込め、頭の中が真っ白になったような気がした……
この数年間、彼女は母の血液型に気を配ることはなく、ずっとAかABだと思っていた。
なぜなら青木岑自身の血液型はABで、それは何度も健康診断で確認済みだった。
そして青木源人の血液型については、前回病院で診療記録を見た時、青木源人はB型だった。
つまり、母親はAかABのはずだった。
なぜならAとABがB型と結びついてこそ、AB型の子供が生まれるからだ。
B型同士の両親からは、B型かO型の子供しか生まれず、絶対にAB型の子供は生まれない。
「あなたの血液型は使えませんね。他のご家族を呼んでいただけますか?」看護師さんは青木岑に言った。