「見たままの状況だよ」と桑原勝はツンデレな返事をした。
「ふざけないでよ、写真のことを聞いているんだ。真ん中にまだ人がいたはずじゃない?」
「切り取って、つなぎ合わせて、最後に加工したんだ」
「ははは、今まではお前のことを天才だと思ってたけど...」と関口遥は言いかけた。
「今は?」
「今は分かったよ、お前マジで天才だな。前世は仕立屋だったのか?こんなアイデアまで思いつくなんて」関口遥は大笑いした。
桑原勝は誇らしげに返事した。「こんないいアイデアを思いつけるのは俺だけだよな」
「そんな妄想して大丈夫か?実物の方が興奮するだろ。もっと頑張って、早く実物にありつけよ」
「うるさい...下品すぎる、話にならないよ。寝るわ」
「おいおい、純粋ぶってんじゃねーよ。お前今まさに初恋みたいな感じじゃん...」
関口遥は桑原勝が相思病にかかったように初恋の感覚を見つけ、毎日秘密めいた様子を見せているのを見て、呆れていた...
青木岑と西尾聡雄が家に帰ったのも、かなり遅かった。
二人はお風呂を済ませ、ベッドに入った。青木岑は白いレース付きのネグリジェを着て、西尾聡雄の腕の中でスマホを触っていた。
SNSをスクロールしていると...
気になることを発見した。
幸治が午前中にイオンモールの麻辣アヒルの頭の写真を投稿し、夜には山田悦子も同じような写真を投稿していた。
これだけなら、二人がそれぞれ食べに行っただけの偶然かもしれない。
でも青木岑はどうしても、二人が一緒に食べに行ったに違いないと感じていた。
しかも幸治が最近投稿する内容からは、明らかに幸せに満ち溢れている様子が伺えた。
山田悦子も女らしい恥じらいを見せていて...
「この子は...本当に言うことを聞かないわね」と青木岑はため息をついた。
「どうしたの?」と西尾聡雄は顔を横に向けて尋ねた。
青木岑は幸治と山田悦子のことを一通り説明した...
西尾聡雄は話を聞いても特に表情を変えなかった。「若い二人が恋をするのは当たり前だよ」
「そうね、私も幸治の恋愛を止めようとしているわけじゃないの。ただ、二人とも純粋すぎて、もし将来うまくいかなくなって傷つくことになったら、お互いにショックが大きいと思うの」