第447章:つけあがる(7)

「見たままの状況だよ」と桑原勝はツンデレな返事をした。

「ふざけないでよ、写真のことを聞いているんだ。真ん中にまだ人がいたはずじゃない?」

「切り取って、つなぎ合わせて、最後に加工したんだ」

「ははは、今まではお前のことを天才だと思ってたけど...」と関口遥は言いかけた。

「今は?」

「今は分かったよ、お前マジで天才だな。前世は仕立屋だったのか?こんなアイデアまで思いつくなんて」関口遥は大笑いした。

桑原勝は誇らしげに返事した。「こんないいアイデアを思いつけるのは俺だけだよな」

「そんな妄想して大丈夫か?実物の方が興奮するだろ。もっと頑張って、早く実物にありつけよ」

「うるさい...下品すぎる、話にならないよ。寝るわ」

「おいおい、純粋ぶってんじゃねーよ。お前今まさに初恋みたいな感じじゃん...」

関口遥は桑原勝が相思病にかかったように初恋の感覚を見つけ、毎日秘密めいた様子を見せているのを見て、呆れていた...

青木岑と西尾聡雄が家に帰ったのも、かなり遅かった。

二人はお風呂を済ませ、ベッドに入った。青木岑は白いレース付きのネグリジェを着て、西尾聡雄の腕の中でスマホを触っていた。

SNSをスクロールしていると...

気になることを発見した。

幸治が午前中にイオンモールの麻辣アヒルの頭の写真を投稿し、夜には山田悦子も同じような写真を投稿していた。

これだけなら、二人がそれぞれ食べに行っただけの偶然かもしれない。

でも青木岑はどうしても、二人が一緒に食べに行ったに違いないと感じていた。

しかも幸治が最近投稿する内容からは、明らかに幸せに満ち溢れている様子が伺えた。

山田悦子も女らしい恥じらいを見せていて...

「この子は...本当に言うことを聞かないわね」と青木岑はため息をついた。

「どうしたの?」と西尾聡雄は顔を横に向けて尋ねた。

青木岑は幸治と山田悦子のことを一通り説明した...

西尾聡雄は話を聞いても特に表情を変えなかった。「若い二人が恋をするのは当たり前だよ」

「そうね、私も幸治の恋愛を止めようとしているわけじゃないの。ただ、二人とも純粋すぎて、もし将来うまくいかなくなって傷つくことになったら、お互いにショックが大きいと思うの」