第449章:つけあがる(9)

「私は桑原坊ちゃんと三年間一緒にいて、彼のそばで一番長く過ごした女よ。私は桑原坊ちゃんから離れるつもりはないし、誰にも彼に近づかせない。遊びならいいけど、度を超えたら容赦しないわよ。あなたなんて小さな病院の看護師、そんなに偉そうにしないで。桑原坊ちゃんが後ろ盾になってるからって調子に乗らないで。あなたみたいな人なら、一瞬で生きた心地がしないようにできるわ。脅しじゃないわよ。三日間の猶予をあげる。桑原坊ちゃんとの関係を切りなさい。さもないと……」

岩本奈義の続きの言葉は言わなかったが、青木岑には彼女が何を言おうとしているのかよく分かっていた。

本来、彼女と桑原勝の間には何もなく、せいぜい桑原勝の一方的な相思に過ぎなかったのに、今や岩本奈義がこれほど悪意的な態度を取っている。