第451章:虎は牙を剥かない(1)

「まぁ、今日は特別な日でもないし、私の誕生日でもないのに、なぜジュエリーなんて」桑原奥さんは嬉しそうな様子でした。

箱を開けて、ブレスレットを取り出し、自分の手首に当ててみる……

「先日、GKのチャリティーディナーで、ちょっとした善行をしまして、寄付金の見返りとしていただいたんです」桑原勝は鼻筋に手を当てながら正直に答えました。

桑原爺さんは上機嫌で笑いながら言いました。「勝がよくやった。ある程度の力を持ったら、社会に恩返しをするべきだ。これぞ民から取り、民に還すということだ……」

爺さんは防衛省管区の元幹部で、いつも古い言い回しを好んで使うので、桑原勝もすっかり慣れていました。

彼は老人の傍に寄って座り、自分で五粮液を少し注ぎました。「今日は爺さんと一緒に飲みましょう」