熊谷玲子のそんな指摘で、佐藤然はすぐに気付き、身を翻して自分のバッグから何かを取り出した。
豪華な包装もなく、手提げ袋もなく、ただポンと机の上に置いた。
「青木岑……これ、プレゼント。お誕生日おめでとう」
佐藤然のこのプレゼントに、他の三人は目を丸くした……
「冗談でしょう?佐藤然……本気じゃないよね?」青木岑はプレゼントを見て、呆然と彼を見つめた。
「もちろん冗談じゃないよ。心からのプレゼントだ。これはそう簡単に手に入るものじゃない。特別に融通してもらったんだ。シリアルナンバー付きの本物だぞ。ネットで売ってる偽物とは全然違う。金があっても手に入らないものだ、わかる?」
青木岑は机の上の真新しい手錠を見つめながら、心の中で千頭のアルパカが駆け抜けていくような気分だった……