第496章:断ち切れない毒(6)

「気に入った?」熊谷玲子は得意げに笑った。

「これは……どうやって手に入れたの?」青木岑は驚いた。

この香水は実は高級ブランドではなく、国内のデザイナーが独自にデザインした作品だった。

このデザイナーは変わっていて、毎年一種類だけをデザインし、一種類につき10本しか作らず、すべて彼自身がブレンドしていた。

原料は自分で栽培した香料を使用していると聞いており、非常に貴重だった……

この香水は去年彼が作った「究極の誘惑」という香水で、とても独特な香りがした。

当時、多くのネットショップがこの香水の模倣品を販売し、大人気だった。青木岑と熊谷玲子が買い物をしていた時、本物を使用している女の子に出会ったことがあった。その香りは一度嗅ぐと一生忘れられないような、とても控えめだが長続きする香りだった。