「リック。」
リックを見かけた西尾聡雄は立ち上がり、歩み寄って、その長身のハンサムなハーフの男性と肩を軽くぶつけ合い、男同士特有の挨拶を交わした。
「来るなら事前に言ってくれれば、準備できたのに。」
「いや、親友と妻を連れて、ちょっと寄っただけだから。」
リックは頷き、西尾聡雄と少し言葉を交わしてから立ち去った……
しばらくすると、ウェイターたちが次々と入ってきて、十数個の豪華なフルーツプレート、ビール、ワイン、洋酒がテーブルいっぱいに並べられた。
その中には、ロイヤルサルートが2本……
ロイヤルサルートについては佐藤然も知っていた。これはロイヤルサルート50年で、市場価格は一万ドル、人民元に換算すると約百十二万円ほどで、世界限定255本。このオーナーは本当に気前がよく、こんな高価なお酒を送ってきたものだ。