「デートしない?」桑原勝は歯ぎしりしながら関口遥を見つめた。
「はは、やめておくよ。俺は女の子が好きで、男は好きじゃないんだ。お前が少しイケメンでも無理だな」
桑原勝は、一人の女の子が投稿した何気ないSNSの投稿で、こんなにも長時間喜べるとは思ってもみなかった。
青木岑と出会ってから、世界が急に美しく見えるようになった……
青木岑はまだ彼女ではないが、以前のような享楽的な生活とは全く違う感覚だった。
少なくとも毎日が楽しみになった……青木岑は彼にとって、やめられない麻薬のような存在で、一度触れたら深く魅了されてしまう。
「そういえば、本題だけど、岩本奈義は刑務所でかなり苦労したって聞いたぞ。女子刑務所がどんなところか知ってるだろう?男子刑務所より暗部が怖いんだぜ。本当に全然心配じゃないのか?」関口遥はゴシップ好きで、矢野川たちと私的に色々な話をしていた。岩本奈義の刑務所での生活について、彼らは全て知っていた。ある御曹司の家族が刑務所の上層部にいて、岩本奈義がどんな目に遭っているか、誰よりも詳しく知っていた。