第3章:巅峰賭神の夜(3)

「大丈夫だと思うよ。私は体質がいいから」青木岑は笑った。

二人が帰ってから、青木岑は疲れて風呂に入り、出てきてすぐにベッドに横たわった。

髪の毛がまだ完全に乾いていない……

「お前、起きろ」

「なに?」

「髪が乾いてないぞ」

「大丈夫よ、明日には乾くわ」

西尾聡雄:……

「ダメだ、風邪を引くぞ」青木岑が望むか望まないかに関係なく、西尾聡雄は彼女を布団から引っ張り出した。

そしてドライヤーを手に取り、青木岑の髪の毛を一筋一筋丁寧に乾かしていった。

「あなた、私を娘みたいに扱ってない?」青木岑は笑いながら尋ねた。

「お前ほど我儘な娘はいないよ」

「我儘って言わないで。今日は私の誕生日で、まだ12時前だから、私が一番偉いの」

「はいはい、お前が一番偉い。胸以外は……」西尾聡雄は小声で呟いた。

「何て言った?」青木岑は怒ったように振り返った。

「えっと……お前が一番偉いし、胸も大きいって」

「賢いじゃない」青木岑は笑って前を向いた。

この誕生日はとても楽しく過ごせた。みんなからのプレゼントもとても特別で、佐藤然の手錠以外は、すべて気に入った。

ただ、桑原勝からの弾丸の薬莢については少し悩んでいた。彼女にとって、桑原勝の約束は貴重すぎるからだ。

お金では計れないものだった……

翌朝

青木岑は夜勤だったので、昼間は特に予定がなく、青木源人から電話を受けた後、直接青木グループ本社へ向かった。

取締役会で、青木源人は正式に青木岑の青木家への加入を紹介した。

取締役会のメンバーは全員、彼女が青木の隠し子だということを知っていたので、黙認した。

その後、青木源人は2.8パーセントの株式を青木岑の名義に移したが、彼女には支配権がなかった。これは前もって準備された策略で、青木岑も驚かなかった。

青木源人は彼女を単なる表面上の存在、操り人形として使い、青木重徳に対抗し、青木隼人を守りたいだけだった。

神谷香織が青木岑に目配せをし、青木岑はすぐに意図を理解した。そこで朝会で青木重徳に向かって言った。「青木社長、お願いがあります」

「言ってみろ」青木重徳はいつもの軽薄な態度を完全に失い、とても真剣で、少し普段の彼らしくなかった。