第2章:巅峰賭神の夜(2)

佐藤然:「わあすごいすごい、すごすぎる……」

熊谷玲子:「へえ、八百万円以上?青木重徳さん、大出血したんじゃない?」

青木岑:「……」

「本当に盗聴器じゃないの?」青木岑はまだ不安そうに尋ねた。

「違うよ……これは単なる誕生日プレゼントみたいだね。私が考えすぎだった」そう言って、西尾聡雄は腕輪を青木岑に渡した。

青木岑は少し気まずそうに、腕輪を手に取って外に向かおうとした。「彼に会いに行って、これを返してくる」

「せっかく贈ってくれたんだから、受け取ればいいよ」西尾聡雄は冷静に言った。

「怒ってないの?」青木岑は彼を見つめ、少し心配そうだった。

「なぜ怒る必要があるんだ。青木家を君にくれたほうがいいくらいさ」西尾聡雄は笑みを浮かべた。彼は青木重徳の青木岑への想いをよく分かっていた。