第494章：断ち切れない毒（4）

原幸治も涙を目に浮かべ、目がうるうるとして、もう少しで流れ出しそうだった……

彼も泣き虫ではないが、姉のこの言葉があまりにも胸を締め付けるようで、心の準備ができていなかった。

西尾聡雄も青木岑の小さな感動に心を動かされた。彼は青木岑の身の上を知っており、永田美世子が青木岑の実の母親ではないことも知っていた。

しかし、彼女は依然として彼女を愛していた。青木岑が表面上どれだけクールで落ち着いていても、彼女も血の通った人間なのだ。

特に心の奥底には、すべての少女が持っている優しい一面があった。

彼女は感謝することを知っており、育ての恩は天より高いことを知っていた。養母は血のつながりはないが、育ての恩は返しきれないものだ。

「あなたったら、どこでそんなことを覚えてきたの、まったく……スープがまだあるか見てきます。もう少し注いであげましょう」と言って、永田美世子は台所へ向かった。