第27章:東陶町の真相(7)

青木岑はまず桑原勝にカードを1枚配り、桑原勝はそれを手に取って見たが、何の表情も見せなかった。

彼は顔を上げて青木岑を見つめ、その眼差しは複雑そのものだった……

まるで千言万語を語りかけるかのように……

青木岑は桑原勝を見ることなく、西尾聡雄にカードを配り続けた。

二人がカードを受け取った後、ディーラーが「お二方、カードをオープンしてください」と促した。

桑原勝はゆっくりとカードを開いた。それはQだった。

実は、Qを引いた時点で、彼は負けを確信していた。Aはもうなく、Kが最強だったからだ。

自分がQを引いたということは、Kは間違いなく西尾聡雄の手の中にあるはずだった。

案の定、西尾聡雄がカードを開くと、ハートのKだった。

会場は再び騒然となった……

そして、大きな拍手が沸き起こった……

「西尾社長の勝利を宣言いたします。本日のローレンス真珠の夜のギャンブルキングに輝きました」と外国人重役が宣言した。

会場は沸き立った……

少し離れたところで、関口遥はタバコを取り出し、憂鬱そうに一服しながら黙り込んでいた。

「桑原様が負けた……西尾聡雄に負けてしまった」矢野川は非常に落ち込んだ様子で、ルイ14世のボトルが惜しまれた。

「違う。彼は西尾聡雄に負けたんじゃない。青木岑に負けたんだ」関口遥は意味深げに言った。

最後の場面で、クルーズ船の支配人であるローレンスが登場し、傍らにはハリウッド最高の人気女優が付き添っていた。

威厳に満ちた様子で、彼は直々に300万ドルの小切手を西尾聡雄に手渡し、記念写真を撮った。

青木岑がステージを降りる際、桑原勝の傍らを通り過ぎながら、ただ「ごめんなさい」と三言だけ言った。

「どういたしまして」桑原勝は不思議そうにその三言を返し、その後寂しげに席を立って去っていった。

豪華な祝勝会には参加しなかった……

ギャンブルキングが決定した後、ローレンスは百本のシャンパンを開けるよう命じ、会場の雰囲気は最高潮に達した。

欧米の人気男性歌手がリズミカルなロックを歌い出した……

熊谷玲子は青木岑を強引に人混みの中に引っ張り出し、ダンスを始めた……

青木岑の心は実は穏やかではなかった。桑原勝があれほど懇願したのに、ただ一緒にダンスがしたかっただけなのに。