青木岑はまず桑原勝にカードを1枚配り、桑原勝はそれを手に取って見たが、何の表情も見せなかった。
彼は顔を上げて青木岑を見つめ、その眼差しは複雑そのものだった……
まるで千言万語を語りかけるかのように……
青木岑は桑原勝を見ることなく、西尾聡雄にカードを配り続けた。
二人がカードを受け取った後、ディーラーが「お二方、カードをオープンしてください」と促した。
桑原勝はゆっくりとカードを開いた。それはQだった。
実は、Qを引いた時点で、彼は負けを確信していた。Aはもうなく、Kが最強だったからだ。
自分がQを引いたということは、Kは間違いなく西尾聡雄の手の中にあるはずだった。
案の定、西尾聡雄がカードを開くと、ハートのKだった。
会場は再び騒然となった……
そして、大きな拍手が沸き起こった……