スペードエースだ。つまり、最高の点数である15点だ。
「これで桑原坊ちゃんは負けが確定したな...」
「そうだね、桑原坊ちゃんは厳しい状況だ。最後の勝負だし」
「桑原坊ちゃんもエースを引けるかどうか、難しそうだ」
皆が次々と意見を交わし、緊張感が漂っていた...
「桑原社長、あなたの番です」とディーラーが促した。
桑原勝はゆっくりとカードの上に歩み寄り、じっくりと見つめた。
カードを取っては置き、置いては取り、何枚も変えながら、皆の心臓をハラハラさせた。
最後には自分でも少し苛立ちながら、一枚を取り上げ、テーブルに叩きつけた。
「ふん、これにしよう」
そしてカードをめくると、皆は呆然とした...
なんとこちらもエース、ハートエースだった。
つまり、第三戦は引き分け...
「これは...第三戦は引き分けと宣言します」ディーラーは確認して結果を発表した。