第26章:東陶町の真相 (6)

スペードエースだ。つまり、最高の点数である15点だ。

「これで桑原坊ちゃんは負けが確定したな...」

「そうだね、桑原坊ちゃんは厳しい状況だ。最後の勝負だし」

「桑原坊ちゃんもエースを引けるかどうか、難しそうだ」

皆が次々と意見を交わし、緊張感が漂っていた...

「桑原社長、あなたの番です」とディーラーが促した。

桑原勝はゆっくりとカードの上に歩み寄り、じっくりと見つめた。

カードを取っては置き、置いては取り、何枚も変えながら、皆の心臓をハラハラさせた。

最後には自分でも少し苛立ちながら、一枚を取り上げ、テーブルに叩きつけた。

「ふん、これにしよう」

そしてカードをめくると、皆は呆然とした...

なんとこちらもエース、ハートエースだった。

つまり、第三戦は引き分け...

「これは...第三戦は引き分けと宣言します」ディーラーは確認して結果を発表した。