「仕方ないわね、運が悪かったの」熊谷玲子は眉をひそめて嘆いた。
主催者側が他人の手助けを禁止していたため、自分で自分の勝負をするしかなく、そのため熊谷玲子は最初の犠牲者となってしまった。
彼女は青木岑に助けを求めることができず、自分の運を試すしかなかったが、相手が強すぎたのか、それとも自分の運が悪すぎたのか。
二百万円があっという間に四十万円まで減ってしまった……
「どうしよう、巻き返す方法を考えてくれない?」熊谷玲子は青木岑の手を引っ張った。
「仕方ないわ、負けは負け。脱落した方がいいわよ。まさか本当に優勝して賭博の神様になりたいわけじゃないでしょう」青木岑は、玲子のような技術も高い知能もない人は、ゲームを楽しむ程度でいいと思った。負けは負けとして受け入れればいい。これからは気楽に観客として楽しめるし、緊張したり心配したりする必要もない。