第45章:私もあなたの弟(5)

「母さん……僕もただ父さんの仕事を少し手伝いたいだけなんです。」

青木重徳と小林紅は息の合った掛け合いを見せていた。

青木源人はただ頷いて、「重徳は常に分別のある行動をしてきた。今、岑が戻ってきて、また一人の助っ人ができた。これからは兄弟姉妹で力を合わせていかなければならない。隼人よ……お前も青木姉から学ぶべきだ。」

「父さん、彼女から何を学べるというんですか?学歴も給料も私より低いし、専門的な経営も学んでいない、ただの看護師じゃないですか。何を学べというんですか、私には理解できません。」

青木隼人と青木婉子は心の底から青木岑という部外者を軽蔑していた……

差が大きすぎるため、彼らには生まれつきの優越感があった……

青木岑は彼と言い争いたくなかった。なぜなら……青木隼人は頭の悪い奴だからだ。

彼と口論するのは、まるで犬と喧嘩するようなもので、まったく意味がない。

しかし青木重徳はこの発言を許せないようで、こう問いただした。「隼人よ……それにしても、岑が基金会の仕事を引き継いでからは、常に忙しく動き回っているが、一度もミスを出していない。一方お前がフィリピンで担当しているプロジェクトは基金会の半分の資金も使っていないのに、めちゃくちゃな状態で、現地政府との関係も築けず、やくざまで敵に回している……我々は商人だ。学歴も専門性も見ない。重要なのは利益と能力だ。そしてお前にはまさにそれが欠けている。父さんがお前に岑から学べと言うのには、きっと理由があるはずだ。そんな反論をして本当にいいのか?」

「私が……?」青木隼人は帰ってきてから、青木重徳に反発し、怒りを露わにしていた。

神谷香織は状況を見て即座に息子を制した。「隼人、お兄さんの言う通りよ。あなたは家族の中で一番下なんだから、これからは兄さんや姉さんたちから学ばなければいけないわ。」

「はい、分かりました、母さん。」青木隼人は心の中では納得していなかったが、実の母には逆らえなかった。

朝食は味も分からないほどの雰囲気だった……

青木岑は彼らが皆仮面を被っていて、仮面を外せば別の顔を持っていることを知っていた……

青木源人も特に用事があるようには見えず、青木岑を呼び戻したのは、ただ小林紅たちに見せるためだけだった。