「こ、これは一体どうなってるの?」青木岑は一瞬呆然としました。ただ眠っていただけなのに、なぜこんな酷い状態になってしまったのでしょうか?
「看護師長、す、すみません、言えませんでした。怖かったんです。」
看護師さんの歯切れの悪い様子を見て、青木岑は目を閉じていても誰の仕業かわかりました。
「桑原勝...覚えておけよ。」
青木岑はそう言うと、すぐに洗面所に駆け込み、急いで顔を洗いました。
出てきた時には、もう夜が明けかけていました...
朝、西尾聡雄とどこで朝食を食べようかと考えていたところに、思いがけない来客がありました。
黒いポルシェ918が病院の玄関に停まっていました。
久しぶりに会う青木隼人が来ていました。それも午前4時過ぎという時間に。
彼は黒いジャケットを着て、髪を短く切り、肌も随分黒くなっていました。