第46章:私もあなたの弟(6)

「まだよ。彼女は賢すぎるから、慎重に進めないと。まずは彼女と親密になって、信頼を得てからでも遅くないわ。西尾聡雄が彼女と結婚したってことは、相当大事に思ってるってことだし、彼女を手札として持っていれば、もう青木重徳を恐れる必要はないわ」

青木岑を使ってGKを動かし、青木重徳に対抗するのが、青木源人の最新の計画だった。

車の中で、青木岑は青木隼人に市街地のショッピングモールまで送ってもらおうと思っていた。生活用品を買いたかったからだ。

しかし途中で、見覚えのある人影が目に入った。

「止めて...」青木岑が突然叫んだ。

「おや?あれは君の異父弟、原幸治じゃないか?」青木隼人が嘲笑うように言った。

幸治は昨日まで今日は授業があるとLINEで連絡してきたのに、なぜ市街地にいるのだろう?