西尾聡雄は写真を見て、冷静に尋ねた。「母さん、この写真はどこから手に入れたの?」
写真には桑原勝と青木岑がレストランで食事をしている様子が写っていた。
二人は談笑しているようで、桑原勝は優しい眼差しで青木岑を見つめ、青木岑は俯いて食事をしていた。
横顔だけだったが、画質が非常に鮮明だったため、間違いなく青木岑だと判断できた。
「どこから手に入れたかは気にしなくていいわ。この女、品がないと思わない?あなたと入籍したのに、外で浮気してるなんて。うちはお金持ちなのに、食べ物も着る物にも困らないはずなのに、外で色目を使うなんて、下劣じゃないかしら?」
「母さん……誰かに彼女を尾行させて、この写真を撮らせたの?」
西尾聡雄の表情は良くなかった。それは青木岑の写真のせいではなく、母親が青木岑を尾行して、意図的に調べているのではないかと心配したからだ。