第42章：私もあなたの弟（2）

桑原勝はすぐに理解し、寂しげに背を向けた……

青木岑がビデオ通話に出ると、西尾聡雄はまだ退社しておらず、背後にはオフィスの光景が広がっていた。

「お前、お腹すいてないか？」

「すいてないわ……」

「今、夜食を注文しておいたんだ。30分くらいで届くと思うから、必ず食べるんだぞ」西尾聡雄は優しく言い聞かせた。

「最近太ってきたのに、まだ食べさせるの？私を豚にするつもり？」

「お前が太るのは構わない。痩せるのが心配なんだ……」その時、西尾聡雄は青木岑の受付カウンターにあるタピオカミルクティーに気付いた。

しかもそれは、市内の高級レストランのブランドものだった。青木岑の性格からすると、お金持ちとはいえ、そんな高価なものは買わないはずだった。

しかし西尾聡雄は直接聞かずに、「熊谷玲子は病院に見舞いに来たか？」と尋ねた。