第155章:心配していた事が起きた(5)

青木源人がまさか父親の立場で青木岑のために話をする日が来るとは……

でも青木岑は嬉しくなかった……

なぜなら、青木源人が損な商売をしないことを知っていたから、こうして自分を助けるのは、きっと何か企んでいるはずだ。

案の定、昼頃に母親から電話があり、家に戻って食事をするように言われた。

青木岑は時間を確認した。車を飛ばせば、二時間の昼休みで間に合うはずだ。

そこで実家に車を走らせると、母親は既に食事の支度を整えており、青木源人も一人でいた。

永田美世子は実際、青木源人に好感を持っていなかったが、今日娘のために話をしてくれたことがあり、珍しく良い顔をしていた。

「岑が帰ってきたね」青木源人は立ち上がって笑顔で言った。

青木岑は頷いた……

「さあ、早く食べましょう。冷めちゃうわよ」永田美世子は青木岑にご飯を盛った。