第156章:心配していた事が起きた(6)

「それは…時間を見つけて手配するけど、先に言っておくわ…私はあなたたちの面会を手配するだけよ。夫があなたと協力するかどうかは、あなたたち次第だわ」

「もちろんです」青木源人は明らかに満足そうだった。

「それと…私の許可なく、勝手に私の事に首を突っ込まないで」青木岑は冷たく言った。

青木源人が何か言おうとした時、永田美世子がスープを持って出てきた…

「熱いうちにどうぞ」

「ありがとう」青木岑は頷いた。

「何を話してたの?」永田美世子は自ら尋ねた。

「私たちは…岑が小さい頃の話をしていたんです。実は私は父親として失格でした。岑は一流大學に行けるはずだったのに。そうすれば西尾奥さんや西尾家に見下されることもなく、人に非難されることもなかったでしょう」青木源人は当然話が上手く、このように後悔の念を見せたのは、永田美世子の心を動かすためだった。

永田美世子は本当に単純で、青木源人のちょっとした手管で信じてしまった…

青木岑は心の中でため息をつき、母が当時なぜ神谷香織に負けたのかようやく分かった。

母の策略は神谷香織とは比べものにならないわ…

でもそれでよかったのかもしれない。もし当時入ってきたのが母だったら、おそらく小林紅にいじめ殺されていただろう…

青木家はそんな人が住める場所じゃない、生き残れるのは狼や虎のような者だけ。

「うちの岑が一流大學を出てないからって何?彼女は生まれつき賢いのよ。他の人より上手くやれるわ。第一病院であんなに多くの一流大學を出た教授や博士がいたのに、なぜ院長の姪の手術をするのに、真夜中に私の娘を呼ばなきゃいけなかったの?それは娘の技術を認めていたからでしょう?今じゃ南区療養院でも有名なのよ。私は彼女のどこが悪いとは思わないわ。善悪をひっくり返すような人たちは、地獄に落ちればいい。悪人には天罰が下るわ」

永田美世子は当然青木岑の味方をして話した…

ぺちゃくちゃと長々と話し、青木源人は笑うだけで何も言わなかった…

「お母さん…私は大丈夫だから、心配しないで。他人の言うことも気にしないで。もしメディアや記者が来ても、家に閉じこもっていれば、彼らも勝手に入ってこれないわ。もし誰かが度を越えたら、警察を呼ぶか、昼間に吉田伯母の家に行って座っていればいいわ」