第161章:腹黒い女の手口(1)

「うん、友達に会いに行くの」青木岑は服を着ながら言った。

西尾聡雄は腕時計を見て、「遅すぎる。この時間は危ないから、送っていくよ」

「うん、ありがとう」青木岑は西尾聡雄の心配を理解していたので、断らなかった。

二人は一緒に階段を降り、西尾聡雄はマイバッハを運転して、月下倶楽部へ向かった……

「車で待っているから、飲みすぎないでね」西尾聡雄は心配そうに言い聞かせた。

「分かってるわ、西尾様。私、ちゃんと言うことを聞くから、ここで待っていてね」

青木岑は西尾聡雄の気遣いに感謝していた。中島美玖は女友達とはいえ、二人とはそれほど親しくなかったからだ。

熊谷玲子のように高校時代からの付き合いではなかった。

だから、西尾聡雄が車で待っているのが一番賢明な選択だった。遊び終わったら妻を家に連れて帰ればいい。