第160章:心配していた事が起きた(10)

「どうして?あなたの夫はたったそれだけのお願いなのに、叶えてあげられないの?」西尾聡雄は不満げな表情を浮かべた。

「西尾様...いじめないでください...」青木岑は抗議した。

自分は経験が全くないのに、まさか積極的になれと言われるなんて...

しかも男が下で女が上なんて、もう、なんてエッチなの...

「もう冗談はやめて、早く食べましょう」西尾聡雄は愛おしそうに青木岑の手を離した。

そして彼女と一緒に海鮮料理を食べ始めた...

西尾聡雄は胃腸が敏感なため、あっさりしたロブスターのお粥を少し飲んだだけだった...

「そうそう、あなた、話があるの」

「うん」

「今日、青木源人が私の味方をしてくれたでしょう?彼が一つお願いをしてきたの」

「どんなお願い?」西尾聡雄は顔を上げて、青木岑を見つめた。

「あなたとお茶を飲みながら、青木家とGKの提携について話し合いたいって」青木岑は桑原勝のことには触れなかった。

結局、西尾聡雄の前では桑原勝の話はしたくなかった。夫を悩ませたくなかったから...

確かに彼女と桑原勝の間には何もなかったけれど...

「ふん...よく計算してるな」

「そうね...今日彼は古い家に行って、また母を丸め込んで、良い父親を演じたわ...でも私は彼との面会を約束したの。成功するかどうかはあなた次第よ。私はただ会わせるだけ。怒ってない?」

「怒るわけないじゃない」西尾聡雄は微笑んだ。

「本当?じゃあ、彼に会うつもり?」

「行くよ...妻が約束してくれたんだから、この面子は立てないとね...」西尾聡雄は青木岑を百パーセント甘やかしていた。

彼女が勝手に決めたことで責めることは一度もなかった...

「あなた...本当に優しい」

「こんなに優しいんだから...後でお返しをしてくれるよね?」

「あ...またそれ?」青木岑は本当に困ってしまった。

西尾様が戻ってきてから、求めてくる頻度が高くなっているような...

「あなた...」

「うん?」

「前に恋愛雑誌で読んだんだけど、夫婦は週に2、3回で十分って。多すぎると体に良くないって」

青木岑は真面目な顔で言った。

「でも...私が読んだ雑誌では、結婚一年未満の新婚夫婦なら、一日一回、いや一日何回でもいいって書いてあったけど」