「まだです」青木岑は正直に答えた。
「早く子作りしなよ……」佐藤然が同調した。
「あなたたち二人も頑張ってよ、一緒に作りましょう……もしかしたら将来は親戚になるかもね」
青木岑がそう言うと、佐藤然と熊谷玲子は面食らってしまった……
「ぷっ……何言ってるの、私たち二人はまだ何も始まってないわよ?」熊谷玲子は即座に弁解した。
「ベッドを共にしてまだ何も始まってないって、じゃあ私たち既婚者は何なの?何か始まってるの?」青木岑は笑った。
「まったく……デマを流さないでよ、あの時は何も起こらなかったんだから……」佐藤然は冷や汗をかいた。
西尾聡雄が付け加えた。「そう、二人の間には何も起こらなかった。一晩中ひまわりの種を食べてただけだよね?」
「あはははは」青木岑は夫に拍手を送りたくなり、また魔性の笑いを始めた。